【TED】「ダン・ギルバート:私たちが幸せを感じる理由」まとめ

おすすめTEDの紹介です。

ダン・ギルバート:私たちが幸せを感じる理由

脳の拡大と前頭葉皮質の役割

人間の脳は200万年の間に約3倍、祖先ホモハビリスの時に700g だった脳が今では1400gにまでなった理由の一つに前頭葉皮質があり、その役目は疑似体験をすることだ。実際に体験する前に頭の中で体験をすることは他の動物にはできない特別な体験だ。

宝くじを当てる?or下半身麻痺?

ここでダンからの問題。宝くじを当てるのと下半身麻痺になるのはどちらが幸せを感じるか?

「分かりきった答えじゃないか!宝くじを当てることに決まっている」という人が多いと思う。

残念だが違う。

実際の調査の結果、宝くじを当てた1年後と下半身麻痺になった1年後では人生において同等の幸福を感じていると言う。

それは「衝撃偏向」と呼ばれ、疑似体験の働きを悪くする傾向があり、疑似体験の中では結果の違いが実際以上に大きいと思ってしまうからだという。

幸せは作り出すもの

それはどういうことかというと「幸せは作り出すもの」(=人工的幸福)だということだ。

その幸せを実際に作り出した4人を引用している。

1.ジム・ライトは民主党議員で下院議長だったが、若手の共和党議員に裏工作を暴かれ、その不祥事を理由に辞任。何もかも失った後に語った言葉

ジム・ライトの言葉
肉体的にも経済的にも、感情的にも精神的にも、ほぼ全てにおいて向上した

2.モリース・ビッカムは37年間冤罪でルイジアナ州の拘置所で過ごし、78歳で無罪が確定し釈放された時に述べた言葉

モリース・ビッカムの言葉
何ひとつ後悔はない。栄光のある経験をしたと思っている。拘置所は何も悪い人ばかりだったってわけじゃないよ。ジムもあったし

3.ハリー・ランガーマンは1949年マクドナルドという2人の兄弟が経営するハンバーガ店の記事を見て、これはいい!と思い、2人に会いに行くと「3,000ドルでチェーン店の営業権をあげる」と言われ、投資銀行をしている兄に融資を願い出たが断られた人物(その後、その営業権はレイ・クロックが得て、富豪となる。)が残した言葉

ハリー・ランガーマンの言葉
‘結果的にベストだったと信じている”

4.ピート・ベストはビートルズの初代ドラマー。訳の分からない理由で解雇された彼が残した言葉。(現在もドラマーであり、ミュージシャン)

ピート・ベストの言葉
ビートルズに在籍していた頃より幸せだ

このような言葉が幸せは作り出されるものだということを裏付ける。

人工的幸福&自然発生的幸福

このような人工的幸福は後付けで、いわゆる普通の幸福(=自然発生的幸福)よりも価値の無いものだと考えられる。

ここでまとめると自然発生的幸福とは欲したものが手に入ること、人工的幸福とは欲したものが手に入らなかった時に作り出す幸福、だ。

こう見ると人工的幸福は二流の幸福では無いか?と多くの人が考えると思うが、それはなぜか。

欲しいものが手に入っても、入らなくても同党の幸福が得られるのでは経済のエンジンが回らなくなるから、だという。

得られるものが限られた自然発生的幸福を皆が追い求めることで、競争し、価値を発生させ、お金を動くことにより経済がよりよく動くからだ、そのように世の中では考えられる、あるいは考えさせられてしまっていると言える。

人工的幸福の実験

ここで人工的幸福の実験が行われる。

モネの絵が6枚。それぞれ違う絵柄ので、自分の好みで1位〜6位まで並べる。

そして選択肢を与えられる。

「余っている絵があるから一つあげる、それは3位と4位の絵柄のものだ」

そう言われると多くの人は3位のものを選ぶ。

その後、同じように、同じ絵を好きなように並べてもらうと3位だった絵が2位に、4位だった絵が5位に並べられる。

 

自分の選択した絵が素晴らしいものになり、選んでいない絵が悪いものになる。

この実験は前向性健忘症(新しい記憶が作れない症状を持つ)の患者にも行われて同じ結果が出る。

それは記憶の問題ではなく、人工的幸福は人に備わっている機能と言っても過言ではないのだ。

人工的幸福の罠の実験

それではなぜ人は人工的幸福というものがあるにもかかわらず迷うのか?

ハーバードでの実験。

学生にフォトグラフィーコースを開設して、好きな写真を12枚撮って、現像し、2枚の写真を選んでもらう。

その後、写真を前にどちらか1枚手放さないといけないという。

そこでグループを2つに分け、一つのグループには条件として「選んだ写真を4日以内ならもう1枚の選ばなかった方に交換できる」という。

もう別のグループの条件は「選んだ後は交換できない」という。

その結果としての満足度はどういった差が出るのか?あまり変わらないのか?

結果は、手元の写真しか残っていない人、選択肢のない人、絶対に気を変えることのできない人が大いに満足した。

つまり後者の交換できないグループの方が自分の写真に対する満足が大きかったのだ。

交換可能性は人工的幸福と相性が悪い、という結果だった。

そして最後の実験。

今度は上記と同じフォトグラフィーコースに入る際に、選んだ写真を交換できるコースと、交換できないコース、どちらを選ぶか?という実験。

66%が交換できるコースを選んだという。

つまり多くの人は不満の残る状況を選ぶ確率が高く、人工的幸福と言うものを知っていない、という結果だった。

最後にアダム・スミスの言葉が引用されています。

アダム・スミスの言葉
人類の生活における苦悩や無秩序の多くは、永続的状況とそれ以外の状況との差異を過大評価しているところに帰依するようだ。

いくつかの状況は疑いなく他より好ましいものであるが、それらのどれも、慎重さや公平さの規律を犯すまでの情熱をもってして追い求める価値はない。

また未来の心の平穏さは自らの愚行の記憶による恥、自らの不公平な行いへの恐怖や後悔によって乱されるべきではない。

かなり散文的なので難しく思いますが、これまでの結果をよくまとめている言葉だと思います。

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まとめ

幸福には人工的幸福と自然発生的幸福があり、自然発生的幸福に価値が置かれている。そして人は人工的幸福と言うものを知らずに、選択可能な満足度が少ない方を選ぶ傾向にある。

これを受けると、目の前に置かれたものを迷わず受けることで、そこから自分が(あるいは自分の脳が)幸せに導いてくれると考え、選択性ばかりにとらわれず、直感を頼りにでもして、迷わないことが大切なのかもしれません。

何にせよ幸せになれるのですから。

【TED】「ダン・ギルバート: 未来の自分に対する心理」まとめ

2019.03.16

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