【TED】「ポピー・クラム:人の感情を読むテクノロジー」まとめ

おすすめTEDのご紹介です。

ポピー・クラム:人の感情を読むテクノロジー

ポーカーフェースの不可能性

コンピューターはすでに私たちのかすかな表情も笑顔が本物かどうかも認識できます。

自分の内面はすでに隠すことはできず、何を外に出し、何を出さないか、自分で制御したいと思います。

しかしもうすでにポーカーフェイスではいられなくなっています。

誰もが持つ独特で眼に見える現象を生み出す脳の回路、いわゆる共感のテクノロジーを研究するポピーは、それぞれの人が内面を出す制御を失うことを受け入れるべきだと考えています。

蜘蛛にみる内面反応

このように周りの世界への反応と身体の生物学的システムの間の機械的な関係を見て取ることができる例として、蜘蛛がいます。

蜘蛛に低音、中音、高音を聞かせると、低音、中音では何も反応が無いが、高音では動きを見せます。

それは蜘蛛に対する捕食者のコウモリのエコロケーションや鳥の鳴き声の音域に近くなったときに反応し、立ち去れ!というような反応を示すのです。

このように蜘蛛は外側の反応によって内側を示す、つまり生物学的に制御された反応に蜘蛛が内面を現しているのです。

人間にみる内面反応

蜘蛛と違って人間はその内面を制御し、隠すことができると思われていますが、そうではないことがあります。

1.眼球

まずは眼球に現れる反応。

何を言っているかわからない重なった2人の声を聞かせると瞳孔が拡張します。

>脳が必死に働いて、自律神経が瞳孔を拡張させます。

そしてその後1人だけのはっきりと何を言っているかわかる声を聞かせると次第に瞳孔の拡張は収まり収縮します。話を理解し、楽になり、先ほどのような反応を止めるからです。

2.体温変化

また体温変化をはかるセンサーデータでは赤外線熱画像で、人間の身体の温かい部分が赤で、冷たい部分が青で移ります。

その体温変化のパターンでストレスの状態やどれだけ頭を働かせているか、注意を払っているか、会話を理解しているか。また炎の画像を見せると頬が熱くなることがわかります。

それはこの熱画像に表れる正直な感情により、恋愛関係を始めるプロセスの一部になることもできます。

3.声

話す言葉で精神的、肉体的な健康状態を洞察し予測することもできます。

言葉の統計的な変化でその人が精神疾患にかかりそうか予測できることが示されています。

他にも痴呆症や糖尿病でも声の特性に変化が見られ、アルツハイマーに関連する言語的な変化は診断の10年以上前から現れることもわかっています。

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2019.02.04

4.呼気

また呼気に含まれる化学組成からも感情がわかります。

それはアセトンとイソプレンと二酸化炭素の混合物で、心拍が早くなり、筋肉が緊張すると呼気の成分比に変化が見られます。

ステージでは驚かせるシーンを見せて、二酸化炭素濃度がその皆が驚いたであろうシーンで変化があることを可視化する装置をつけて、変化が見られました。

不安や恐怖や喜びが再現可能で視覚的に識別可能なものとして現れるのです。

共感能力者の時代

このようにテクノロジーによって私たちの感情は隠せなくなりました。ポーカーフェイスは不可能になるのです。

相手を人間として基本的な経験や気持ちに触れ、感情的、社会的に繋がることができるようになり、技術によって共感能力者となれることの効力を認めるなら感情的、認知的な分断をテクノロジーで橋渡しできる可能性が出てきます。

また拡張現実のような技術で自分の能力を強化しつつ、より深く他人とつながることでよりよい未来を描けるでしょう。

それはたとえば、高校の教師がいつも陽気な生徒に深刻な悩みがあるのをテクノロジーによって知りえることで手を差し伸べることができる。

また当局が精神疾患を抱える人と攻撃性のある人の違いを認識し、適切な対応ができるようになることができる。

また芸術家が自分の作品に対する直接的な反応がわかるようになることができるようになるのです。

トルストイの芸術の考え方
作者が意図したとおりのことを受け手が経験するかどうか

共感のテクノロジー

しかしこのような世界は、テクノロジーによって相手と近しくなれる、その反面、自分のデータを共有することを選んでいないときでさえ、それを他人に知られる時があるということです。

私たちが誰かと話すときや見るとき、そして見まいとするとき、交換されるデータがあり、そこから何かを知り、自分や他人についての決断をすることができるのです。

私たちの内的な生活がさらけ出され、個人データやプライバシーが自分の望まない相手に勝手に渡される世界が望まれているわけではなく、人々がもっとお互いに気をかけ、注意を向ける感情を誰かが抱いているときに分かるようになる世界こそ望まれているものです。

そしてそのようなテクノロジーに信頼を構築する上では、透明性や効果的な規制が大切です。

「共感のテクノロジー」が私たちの生活にもたらす恩恵は、私たちを不安にさせる問題に取り組むだけの価値があります。

多くの機会や感情を見逃さないように、そのテクノロジーについての研究を続けなければいけないのです。

まとめ

黙っているだけで、相手に今の本当の状態が分かる。

少し怖くもあり、そして有難くもある体験です。

テクノロジーは日々進化し、人間は感情までも暴かれつつあります。

感情に関わることは、歴史に見ても、良くも悪くも利用されてきました。

テクノロジーが医学的なことに利用されたときは目まぐるしい進化となる一方、それが個人の利益のために利用されると問題となり得る。

良い面が伸びていくことを期待し、今後の進歩に注目していきたいです。

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