【TED】「フアン・エンリケス:数百年後、人類はどんな姿だろうか?」まとめ

おすすめTEDのご紹介です。

フアン・エンリケス: 数百年後、人類はどんな姿だろうか?

人の身体を進化させる倫理性

人の身体を進化させるのは倫理的か?

すでに私たちは私たち自身を進化させるのに必要な手段のすべてを入手し始めています。

私達はバクテリアや植物、動物を進化させることができ、そして問題を提起すべき時期に来ているのです。

それは本当に倫理的なことなのか?私達はなぜ人類を進化させたいのだろうか?

人工装具の歴史

この質問について考えるため義手や義足などの人工装具の過去、現在、そして未来についてです。

かつては鉄製の義手がありました。

あるドイツ人の伯爵は、戦いで腕を失い、一揃いの甲冑を作り、義手を装着しました。

「鉄拳による支配」というコンセプトはそこから由来しています。

そしてそのような人工装具はますます便利に現代的になり、半熟卵すら持つことができるようになりました。

ヒュー・ハー(MITメディアラボ)のような偉大な人たちが、これまでに全く素晴らしいを開発してきました。

(登山で両足を失ったヒュー・ハーの義肢について→https://www.autodesk.co.jp/redshift/hugh-herr-robotic-legs/

また義足の女優エイミー・マリンズは自由に足を選べるようになりました。

エイミー・マリンズのTED講演

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体内や脳の中の人工装具

また身体の外側につけていた人工装具が、現在では人工膝関節、人工股関節となっています。

心臓のペースメーカーも一つの装具とみなせば、ここまでの進化は、ただの快適性からではなく、不可欠なものでもあります。

現在もはや、人工装具は人の身体と共生する関係になりました。

MIT先端生体工学センター(エド・ボイデン、ヒュー・ハー、ジョー・ジェイコブソン、ボブ・ランダー)では現在、装具を骨、皮膚、筋肉にまで埋め込もうと試みています。

また光や他のメカニズムを利用することで、脳と人工装具を直接結びつけようと考えています。

フォナック補聴器

もし脳への装具が現実となれば、人間性の基本的な性質を変化させることでしょう。

例えば、何かに反応する神経、それは神経の直径に影響されます。

光や液体金属を使った体外または人工の神経なら、太い神経にでき、理論的には銃口の発火さえ見えれば弾丸から逃れられさえできます。

そして次の段階では「フォナック補聴器」があります。

全方位の音を拾え、 ホワイトノイズを聞け、録音もでき、さらには電話を埋め込むこともできます

従来の補装具は 障がいを持つ方たちのものでした。

しかしこうなると障がいを持たずとも手に入れたいと思うようになるのです。

この補聴器があれば、聴力の補助のみならず音の焦点が合わせられる、つまりあちらの会話も聞き取れる「超」聴力が手に入ります。

次の人類の進化はなんのため?

現在では、外部に金属を取り付けない究極の装具を目指す臓器の再設計(トニー・アタラ達)や、放射線への抵抗を高めたり、

より多くの酸素を吸収できたり、より効率の良い排泄をしたりできる細胞のプログラムの組み直し(クレイグ・ヴェンターやハム・スミス、フアン・エンリケス)や、

そのプログラム可能な細胞へのヒトゲノムの注入(ジョージ・チャーチ)まで、一体どこまで改良をして、どこからどこまでが道徳的か非道徳的なのか?

研究者たちが行っていることは、多次元のチェス盤の様なものです。

ウイルスを使って、遺伝子の発現の調節を変化させてエイズなどを攻撃したり、また遺伝子治療により遺伝情報を書き換えることで遺伝性の病気から逃れられたりします。

また環境を変え、エピゲノムを介して遺伝子発現を変化させそれを次世代に引き渡すことができます。

それらはほんの少しの変化にとどまらず、ほんの少しが集まることである一部分を形成し、部分的な変化がいくつも合わさってまったく別のものができあがるのです。

こうした研究は懸念され、恐ろしく、リスクもあります。

しかし研究者はなぜ研究をして、人体を改良しようとするのでしょう。

いずれやってくる絶滅

その答えの一部はイギリスの天文学者リーズの言葉にあります。

「宇宙は悪意が100%である」

その意味は、人間を宇宙空間に置いたり、太陽に置いたり、水星の表面や超新星に置いても死にます。(実際の悪意は80%くらいだが)

宇宙はエネルギーを散らしていますが、その流れに逆らって生物学的な秩序を生み出す渦があるのです。

しかしその渦も消えてしまい、流れに乗って移動します。

その渦の変化によって、地球が氷の球になったり、ひどく暑くなったり、また小惑星の衝突や火山の大噴火や太陽フレアによって突然の絶滅が起こります。

地球上でこれまで5回起こり、それはつまり私たち人類もいずれは絶滅するということです。

この事の成り行きを踏まえて、大絶滅が当たり前で自然で普通で繰り返し起こることなら、我々の種を多様化させるのが道義的責務でしょう。

それは人体を根本から改良しない限り、今のままでは火星に住むことは不可能です。

人類の新たな文明への道

重力を本質的に変えると人体に変化が起こるかは分りませんが、人体が大量の放射線に曝されたら、死んでしまうことは確かです。

つまり火星で暮らすために、私たちは身体を設計し直す必要があります。

ニコライ・カルダシェフ(ロシアの天文学者)のように人類の存在を縮尺をもとに考えてみます。

第1文明

人体の見た目を変えることから始まります。

実際に人類が何千年とおこなってきたことで、腹部手術やそういった類の見た目を気にして行うことで、決して医療目的だけではありません。

第2文明

人体を基礎的な部分から変えてしまいます。

背を伸ばすためのホルモン注射や、太ったり痩せたりするために取り入れることやそういった種類のものです。

人体機能を根本的に変化させます。

 第3文明

太陽系文明への進歩。

ダイノコッカス・ラディオデュランス(放射線耐性菌)の遺伝子を取り入れて放射線を浴びせると、細胞が新しい性質を持ったり、肺を使わず血液に酸素を取り込んで呼吸ができるようになったりするかもしれません。

つまり急激な再設計です。

 第4文明

興味深いことに、この10年でたくさんの惑星が発見されています。

そしていくつか地球に似たものもありますが、問題はそこにたどり着くために、最速の移動手段ですら、最も近い太陽系でも何万年とかかってしまうことです。

違う星へ行くためには、とんでもない変化が必要です。なぜなら時間の尺度や人体をまったく違ったものに、変化させなければならないかも知れません。

それが第4文明です。

今は想像することすら 出来ませんが、そこへ辿りつくための手段を掴みはじめてはいます。2つの例をご紹介します。

自然界にない塩基の人工DNA

フロイド・ロームズバーグが今取り組んでいるのは、生命の元となる根本的な化学反応への挑戦です。

バクテリア、植物、動物、人間、牛、すべての生命はATCGの4つの塩基の配列つまりDNAからできています。

フロイドは4つの塩基のうち2つをATXYへと変えてしまいました。

これにより子を生み、繁殖し、進化する並行した生命系が生まれました。

これは事実上すべての生物と交配することができません。

おそらくすべてのバクテリアに感染されず、すべてのウイルスに抵抗する植物の開発も可能でしょう。

これがなぜ興味深いのでしょうか?

人のカタチの変化

これはつまり現在の人類のカタチが唯一の答えではないということなのです。

現在の人のものとは違う代わりの化学反応をし、全く違う惑星に適合し、そこで生命を作り遺伝に適した化学システムもあり得るということなのです。

この実験には第二の意味合いもあります。

すべての生命が20のアミノ酸から成り立っていますが、塩基の入れ替えではなく追加で、つまりATXYではなく「ATCG+XY」とするならば、もとは20種だったアミノ酸を172種まで増やせ、それは全く異なったカタチの生命が創れるということです。

脳移植実験

2つ目の実験は中国で行われているもので、数百ものねずみの脳移植実験を行っています。

もし移植できるなら、ここには2つの可能性があります。

1.記憶や意識を移植することは可能か?

2.脳活動の入出力系は首より下にあるのか?

何か人間とは全く異なり、宇宙でも存在でき、何万年と生きながらえる完全に再設計され、非常に長い長い期間意識を維持できるものに移植できるのでしょうか?

人類を進化「させない」ことは倫理に反する

振り出しに戻って、私達はなぜ人類を進化させたいのだろうか。

それは究極のセルフィー(自撮り)だからです。

地球が滅びれば全人類も滅びます。

人類が自らを進化させたがるのは結局、あそこにもあそこにあそこにも人類が住んでいるといえる写真が欲しいのです。そうなることで長い目で見て、生きながらえることができるのです。

だからこそ人類を進化させないことは倫理に反するのです。

たとえ恐ろしくても、 たとえチャレンジが必要でも、探求し、生き延び、今は想像できない夢のような場所へ、それは私たちの孫の孫の孫の孫の世代がいつか行くかもしれない場所へとたどり着くことなのです。

まとめ

人類の進化、それは現在様々な分野で目を見張るものがあります。

そこには倫理的に抵触する事案もありますが、すべては種として生き延びるため。

それが答えだとすると、果てしなく、壮大な物語に感じられます。

人が人の形でなく、どんな姿になるのか想像できませんが、そこには人類が背負う未来があるのです。

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