背骨が刺さる

満員電車でのできごと

 

ある日都会の満員電車に乗る機会があった。

 

とんでもない人の数。

 

シャリの上に乗ったいくらのように、あふれてあふれて乗車できずにこぼれ落ちる人も。

 

朝早く移動しないといけなくて遭遇してしまった。

 

日本の観光名所にもなっているという満員電車。

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老若男女、入り乱れる攻防戦、といってもほとんどおじさん。

 

でも最近は女性も多い。女性専用車両ももちろんある。(女性専用車両なんて田舎にはまだまだ少ないんだぜ)

 

そしてそんな中にある危険が痴漢だ。

 

女性の被害者がもちろん一番の被害者だが、男性が冤罪の被害者になるかもしれない。

 

悪どい女性が、男をはめる場合もある。

 

「それでも僕はやっていない」、とか言いたくない。

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僕はぎゅうぎゅうとなりながら、ドキドキしながら、そんなことを考えていたが周りはハゲたおじさんばかりで不快ながらも安心していた。

 

電車の中で押しつぶされそうになりながら、僕は周りの人間に体重を預け不安定な足元を支えるためつり革に手を伸ばした。

 

なんとか伸びた右手がつり革を掴んだ。

 

 

しかし左手は僕の胸の所まで上がったがそれ以上上がらない。

 

前の人と僕の間に挟まれた左腕は、胸に手を当ててホッとしている人のような位置で動いていた。

 

この後、ホッとする暇もない事態が起こるというのに。

 

 

左腕が痛い

しばらくするとその左腕が痛くなってきた。

 

どうやら目の前の人の背中がゴツゴツしているようだ。

 

おじさん、背中に何入れてんの?防弾チョッキでも着ているの?

普通のチョッキにしてくれ!と思いよく見ると女性だった。

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グレースーツを着た痩せ気味の女性。

 

髪もツーブロックに刈り上げたバリキャリ風、、、でも無い、オシャレで痩せ気味の静かな感じの女性だ。

 

化粧をバッチリとして、涼しい顔をしている。

 

言う時は言う、っていう顔をしている気がした。(どんな顔だ!)

 

 

おじさんが女性と分かった

おじさんじゃなくて、女性だったのか!

 

密着しているその対象が180度も違ってくると気分も違う。

 

でも思い出せ俺!「それでも僕はやっていない」というリスクが出てんだぞ!

 

こうなってしまったら挟まれた左腕を下手に動かすこともできない。

 

もぞもぞ動かしていると「何やっているんですか?」なんて言われてもいけない。

 

上にも下にも動かせない左腕。自分の胸と、女性の背中に挟まれた左腕。

 

やっぱりゴツゴツしている。痛い。

 

どうやら背骨のようだ。

 

痩せ気味の彼女は背骨がくっきり出ているようで、満員電車の圧迫にその背骨が直に左腕に当たっているように感じる。

 

何層にも重なった背骨のゴリゴリしたところが左腕に当たって、ゴリゴリしているのだ。

 

 

刺さる背骨

そんな左腕が背骨にゴリゴリされている時に、電車が大きく揺れた。

 

揺れる満員電車。

 

体が宙に浮きかけるほどの状態の時に電車が揺れると身動きが取れない。

 

その揺れで体がどうなったのか地に足がついていなくて、顔が何かに圧迫されていた。

それは頬骨を圧迫し、今にも顔面を押しつぶそうとしていた。

 

 

大きな揺れで体がズレて、彼女の背骨が顔に刺さっていたのだ!

 

 

目を開けてもどうなっているのかわからない。ただただ顔が潰されている。

 

 

このまま背骨に顔を潰されて、脳味噌が飛び出て、満員電車が僕の脳味噌でぐちゃぐちゃになることを想像する余裕もないほどに、顔が痛かった。

 

ついつい僕は叫んでしまった。

 

 

「背骨が刺さってます!背骨が刺さってます!」

 

 

いつにない大きな声を出し、電車の機械音だけの電車の中がざわざわし始めた。

 

 

「痛い!」

 

 

周りの人がもぞもぞと動いている。

 

 

「背骨!」

 

 

僕は必死にそう叫んだ。電車の放送なんかをかき消すほどにそう叫んだ。

 

 

「痛い!」

 

 

周りの人が動き始めて要約顔の圧迫も解けてきたが、流れで最後にそう叫んだんだ。

 

 

「すみません」

 

 

あの女性がそう声をかけてくれた。

 

 

彼女も不安定な体制で横向きになっていて、僕に当たっているのが分かっていた。

 

 

「ヒジです。背骨じゃないです」

 

 

彼女はそう言った。少し落ち着いた車内にその声は小さくとも響き渡っていた。

 

 

鼻で笑う数人の声を僕は聞き逃さなかった。

 

 

肘。

 

 

なるほど、肘ね。

 

 

「すみません」

 

 

僕は一言、小さな声でそう返してやった。

 

 

肘を背骨と間違えるなんてとんでもない失態だね、名誉毀損並みの間違いだね、そりゃ彼女も訂正してくるよ。背骨じゃねえよ、肘だよ、って。

 

 

背骨はそうそう刺さるもんじゃない。

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