【カネを積まれても使いたくない日本語】 内館牧子 朝日新書 2015年
目次
日本語クイズ!
この3つの日本語の意味分かりますか??正解はこの記事の最下部で!
1.やばたにえん
2.あざまる水産
3.バブみ
これらの言葉、女子高生の間で使われているようです。(すでに、使われていた、となっているかも知れませんが)
変化する言葉
言葉は生き物のようで日々進化するものだと思いますが、それでもよく考えたらちょっとおかしいんじゃないの?って日本語の使い方ってありますよね?
そんな日本語の使い方を批判した脚本家の内館牧子さんが選りすぐったおかしな日本語の使い方の本です。
その中から気になった、「気になる」日本語をいくつかピックアップしてみました。
~させて頂く(カネを積まれても使いたくない日本語、34P)
結構、普段でも使っていそうなこの言葉。へり下り過ぎ、だということ。政治家や芸能人がよく使うようになり広まっているようです。
「する」という自己主張と、「される」という受身の間の、能動態と受動態の中間的な表現で、古代ギリシャ語の「中動態」にあたる。(カネを積まれても使いたくない日本語、37P)
この表現は一種の責任回避の逃げ口上として機能するもののようです。
さん、様(カネを積まれても使いたくない日本語、46P)
ヘンな敬語として、「さん、様」あげられているこれ。これは人以外に使う場合の違和感です。〇〇会社様とか作家さんとか。
でもこれはTPOによるかと思います。会社の打ち合わせで他社の人と話すときに「御社様は・・」と言っても割と変ではないと思います。
ただ「お名前様とご住所様をお願いします。お電話番号様はケータイ様でも結構です。」(カネを積まれても使いたくない日本語、54P)
これデパートで実際にあった話らしいですが、ここまでいくと過剰。。使い過ぎると変ですね。
カタチ(カネを積まれても使いたくない日本語、200P)
例えば「こんなカタチで、進めていければいいかなと思います。それでは今日はこんなカタチで終了とします。」
実際これを言葉で言われると、慣れてしまって違和感の無さそうな文章ですが、こうやって書いて見るとわかりますが、へんですね。。
「カタチ」という言葉は必要ない。これも断定回避の言葉。
「これで進めていければいいかなと思います。それでは今日は終了します。」でいいですね。
かな(カネを積まれても使いたくない日本語、123P)
カタチのところの例文であげた「これで進めていければいいかなと思います。・・」にある、「かな」と言うのも変だとされています。
これも断定を曖昧にしている言葉。確かに例文も「これで進めていこうと思います。・・・」で良い。「思います。」と言っているので、曖昧さはあるのにさらに「かな」という曖昧さで逃げていますね。
とか(カネを積まれても使いたくない日本語、138P)
「東京とか大阪とかへ行きたい」ならば変な使い方ではない。
しかし「東京とかへ行きたい」はどうか。この文だけでは東京だけしかわからないし、もしかして大阪などの都会を意味しているのかなと考えられるが憶測に過ぎない。
さらにこれに続いて「どこへ行きたい?」の質問に、「ディズニーランドとか行けたらいいかも」として見ると「とか」の違和感がわかる。
ディズニーランドと言っているのに、曖昧にしている。他の違うところへも行きたいのか、そこも曖昧さがある。しかも語尾の「かも」でさらに曖昧になっている。これらも断定回避の言葉だ。
曖昧な表現が流行りなのかな
まとめ
ここのご紹介したのは一部ですが、この本では他にも、たくさんの言葉の使い方が列挙されています。
へんな言葉の他にも最近市民権を得た言葉や、上記の断定回避の言葉も他にたくさん。この本を読んでいると普段何気なく使ってしまっているへんな言葉がこんなにも多いのかと自戒してしまいました。。
友人同士で気楽に話せて、何となく意味が通じあう場面ではそんな言葉も良いとは思いますが、初対面の人や取引先の人と話すときに使うと通じなかったり、支障をきたしたりすることもありそうです。
本当に何気ない言葉が多いので、言葉の見直しのためにはおすすめの1冊です!
日本語クイズ!の答え
1.やばいの進化系
2.ありがとうございます
3.年下女子へ求める母性、また年下女子から感じる母性。