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ダン・ギルバート: 未来の自分に対する心理
目次
タトゥーの除去、離婚は過去の決断の結果
人生のいろいろな場面で人は未来に影響する決断をする。
それが将来において、過去の自分の決断に喜ぶものとは限らない。
大金をだしてしたタトゥーを、大金を払って除去する。
中高年が離婚に急ぐ相手は、若いころ結婚に急いだ相手。
高齢者が必死に減らそうとするものは、中高年が必死に増やそうとしたものだ。
そんな同じパターンです。
なぜ私たちは未来の自分が後悔することになるような決断をしてしまうのか。
今も変わり続けているということ
それはまず時間の持つ力を思い違いしていることにあります。
人生が進むにつれ変化が遅くなるのは年を取ればわかりますね。
子どもは分単位で変化しているように見えるが、親の変化は年単位でしか見えないというような。
そんなスピードの変化は人生のどの時点で起こるのか?
それはどんなときも「今」なのです。
みなが抱えている錯覚、それは自分の過去はここで終わり、その後は今の自分のままでいるはずだという錯覚があるのです。
「歴史の終わり」幻想
何千人もの人を対象にした調査で、喜び、成功、誠実さという3つの人の価値観の変化について半分の人には今後10年で価値観がどれくらい変わるか予想してもらい、
残り半分の人には過去10年で価値観がどれくらい変わったかを聞いたものです。
結果はこうです。
縦は変化で下から上に連れて変化が大きいとする、横は年齢で左から右へ歳をとる。
上の黄色の線が過去10年間を振り返った変化の度合い、下の紫色の線が将来の10年間を予測した変化の度合いです。
これを見てわかることは、変化は年齢につれ緩やかになるが、実際はそのペースが思ったよりも速いということです。
18~68歳のどの年齢の人も今後10年で経験する変化を大幅に少ないと考えていたことがわかります。
これは性格の変化に関する調査についてもほぼ同じようなグラフが出来上がります。
これは「歴史の終わり」幻想と呼ばれるものです。
友達や休暇の過ごし方も同じ
変化するものは価値観や性格だけではありません。
好みについても同じです。
今の友達が今後10年後も友達で、
今の楽しい休暇の過ごし方は10年経っても同じですが、
10年後の人たちは口を揃えてこう言います。
「変わってしまったよ」
音楽の好みももちろん変わる
そして今、好きなミュージシャンと10年前好きだったミュージシャン。
これも調査で、今好きなミュージシャンが10年後にコンサートを開くとき、
今いくら払うか聞いたところ、そのチケット代の平均額は129ドルでした。
そして10年前に好きだったミュージシャンが、今日ライブをするのに、
いくら払うかと聞いたところ、答えはたったの80ドル。
どちらも同額になるはずが、人は変わらないと思い込むために、
今の好みを満たす可能性にお金を出しすぎてしまうようです。
想像することは簡単、思い出すのは難しい
これについては、なぜなのかは明らかになっていませんが、
思い出すことは容易で、想像するのは難しいという相対的な差が関係しています。
10年前のことなら思い出せるが、将来の自分を想像するのは難しい。
そこで人は誤って、想像が難しいから何も起きないのだと考えてしまいます。
それは想像力の欠如ではありません。
つまりは時間というものが強力で、
好みや性格を変え、価値観を新たにします。
変化に気づくのは後になってからなのです。
変わらないもの
多くの人にとって、今は魔法のとき。
時の流れの分岐点で、本当の自分になる瞬間。
そして人間は未完成なのに、完成したと思いたがる。
今のあなたも過去のあなたと同じ、はかない存在なのに。
人生で変わらないものといえば「変わる」ということだけなのです。
まとめ
変わらない自分と変わった自分。
2つが混在しているものが自分。
と、思っていましたが、よくよく考えると変わっていないことって何だろう。
「変わらないね」と言われるけれど、大抵は雰囲気的な容姿だけのことが多い。
変わってしまうということを受け入れて、人生の決断をしていければ、
どれだけ慎重になれるか。
あまり考えすぎると、前に進まないが、
後悔だけしないように考えて行動したいものです。
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