心の自動ドア

あれ、開かない?

 

ある日、いつものスーパーで買い物をして、レジでお金を払って出ようとしたら、

 

バン!

 

気付いた時には尻餅をついていた。

 

自動ドアが開かなかった。。

 

ぶつかった大きな音に、店員さんが近寄ってきて、「大丈夫ですか?」と。

 

その時、ウィーンという音とともに自動ドアが開いた。

 

近寄って来た店員さんに反応したようだ。

 

「大丈夫です、自動ドアが開かなくて」、と開いた自動ドアを前に何を言ってんだ感満載の言葉。

 

自動ドアが開かない?、、、もちろん店員さんも困っている。

 

「また調べておきます。お怪我はございませんか?」と優しい店員さん。

 

怪我はなかった。けれど。

 

その日はじめて、人と話したのがこの店員さんだったのだ。

 

自動ドアは黒い服を着ていると反応が鈍いときもあるものがあるらしい。

 

私はあまり着ない黒い服をこの時はたまたま着ていた。

 

 

ここはどこ?

 

人混みの中、私は自分の居場所を見失う。

 

周りにはたくさん人がいるのに、誰のことも知らないし、誰も私をしらないだろう。

 

肩が当たっても見向きもしない。

 

人の黒い眼球は虚ろに前しか向いていない。

 

周りに人は居なくなって、ここがどこだかわからなくなって、ついには人が1人もいない。

 

すべての音は消え、あたりは白一面の景色に。

 

ここは雪国ではない。

 

ビル群の真ん中にいる、いや、いたはずだ。

 

どちらでも良い。

 

私はここにいて、ここにいないのだから。

 

的な、自分喪失の人。

 

 

自動ドアがおススメ!

あなたをあなたと認識してくれる唯一とも言えるツールかもしれない!

 

見渡せばどこにでもあって、普段何気なく利用しているもの!

 

誰にも平等にそのドアを開け、そして閉める!

 

あなたが誰かである必要もなく、ただただ存在をすれば存在を認めてくれる。

 

母性の塊、自動ドア。

 

母なる大地、自動ドア。

 

汝自身を知る、自動ドア。

時々、黒い服に反応はしないけど、悪気は一切ない。その時は冷酷にもあなたを認めないけど。

 

自分を見失った人は黒い服はやめましょう。

 

誰もあなたを認めてくれなくなるから。

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