おすすめTEDのご紹介です。
エミリー・ワプニック: 天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう?
目次
大人になったら何になる?
「大人になったら何になる?」という質問を、子どもの頃にされたことがある人は多いと思います。
そしてこの質問に悩みませんでしたか?
エミリーも同じ、この質問をされて悩んだ人です。
しかし彼女は、何にもなりたくないのではなく、なりたいものがありすぎたのです。
興味のあることをなんでもやってきたエミリー。
そしてある時に気付いたことは、ある分野に興味を持ち、そこに飛び込み、夢中になって、ある程度まで上手くなるが、どこか途中で飽きてしまう。時間とエネルギー、そしてお金をつぎ込んだものの、結局飽きがきて放り出してしまう。
そしてまた他のものに興味を持って、そこに飛び込み・・・という繰り返し。
色々とやってみるけれど続かない苦しみ
エミリーはそんな自分に2つの理由で苦しみました。
1つは自分のしていることをキャリアにつなげること。結局1つのことを選び、他のことを無視して、飽きてもそれをせざるをえないのだろうか、ということ。
2つ目は、1つのことをやり通せない自分に何か欠陥があるのではと心配になったこと。自分が何かに専念することを恐れ、気持ちが散漫になり、成功を恐れ、自らを妨害しているのではないか、ということ。
いろいろなことをやることが間違っていて、普通じゃないと教えたもの。
それは文化なのです。
いろいろなことをやることは間違い?
初めの質問。
大人になったら何になる?
この質問を私たちは子どもの頃から、ずっと、それは高校生、大学生になるまで聞かれることで、無邪気なやり取りから、夜も眠れなくなる関心ごととなる。
それはこの質問は、夢を持つことは勧めるが、全ての夢を持ち続けなさい、とは勧めてないのです。
そしていくつもの答えを上げると、笑われてしまうからです。
多くのキャリアを持つ人のことをあまり教えられません。
やりたいことを一つに選ぶ人生を社会は美化し、宿命や転職と呼んで、人は優れたものを一つ持って生まれ、それに人生を捧げるのだと教えられます。
マルチ・ポテンシャライトという生き方
しかしたくさんのことに興味を持ち、色々なことをしたい人。社会の求めるものと合っていない人はどうなるのか?
それでもいいとエミリーは言います。
そんな人はマルチ・ポテンシャライトだからです。
マルチポテンシャライトは「博学者」や「ルネッサンス人」と言い換えても構いません。
実際、ルネッサンス時代は、多くの学問に通じる人が理想とされました。
バーバラシャーはマルチ・ポテンシャライトを「スキャナー」と称しました。
どんな呼び方でも、また新しい呼び方でも良い、単一のあり方に合意することは不可能だからです。
そんなマルチ・ポテンシャライトには3つの強みがあります。
マルチ・ポテンシャライトの3つの強み
1.アイデアの統合
2つ以上の分野を組み合わせ、その交わりで新しいものを想像することです。
シャ・ファンとレイチェル・ビンクス、2人の共通の趣味の地図作成、データ視覚化、旅行、数学、デザインからメシュー社という会社を創業しました。
そこでは地理にヒントを得た装飾品をオーダーメイドで作っています。
メシュー社のウェブサイト⇒https://www.meshu.io/
2人がこのユニークなアイデアにたどり着いたのは2人の広い技能と経験の混在、それは「にもかかわらず」ではなくで「だからこそ」から生まれたものです。
様々な経歴を持つマルチ・ポテンシャライトは多くの交差点に容易にアクセスできるのです。
2.迅速な学習力
マルチ・ポテンシャライトは何かに興味を持つとのめり込み、手当たり次第に吸収します。
また初心者であることにも慣れています。
色々なことをしようとするので、初心者であることも多かったのです。
新しいことを始めることも、居心地の良いところから足を踏み出すことも怖じけずにやります。
そして多くの技能は違った分野でも応用ができ、全てを1から始める事はほとんどありません。
3.適応力
アメリカの雑誌「Fast Company」誌は、適応力を21世紀で成功する上で最も重要な技能だとしています。
世界経済が急速に変化する中、容易に方向転換できるものこそが成長の真っ只中にある市場のニーズを満たし、成功することができるのです。
アイデアの統合、迅速な学習力、適応力はマルチ・ポテンシャライトが得意とすることで、焦点を絞れと強いられるとこれらを失いかねないスキルです。
スペシャリストとマルチ・ポテンシャライト
あらゆる場面において、最高のチームはスペシャリストとマルチ・ポテンシャライトのペアです。
今の世の中、複雑で多次元的な問題に取り組むには想像的で型にはまらない人材が必要とされています。
その中で、スペシャリストももちろん必要な存在です。
スペシャリストはアイデアを奥深く追求して実行をする役割で、マルチ・ポテンシャライトがそのアイデアに幅広い知識を持ち込むという役割を果たすのです。
このようにスペシャリストとマルチ・ポテンシャライトにはそれぞれの役割があり、ペアを組むことでお互いの力を発揮できる存在となれるのです。
内なる資質
しかしマルチ・ポテンシャライトは、スペシャリストになれ、と強いられることがよくあります。
それは先ほど書いたように、文化がそうするのです。
あなたがスペシャリストならば、その仕事を全うし、あなたの最高の仕事としてください。
そしてもしあなたがマルチ・ポテンシャライトならば、情熱を大切にし、好奇心のままに、いくつもの穴に入り込み、その好奇心の交差点を追求してください。
内なる資質、内なる情熱を大切にすることが、幸せで本当の人生につながります。
マルチ・ポテンシャライトは世界から必要とされています。
まとめ
やりたいことが多い、そしていろいろやってみるけれど全ては続かず、また新しいことが気になる。
そういった人は意外と多いと思います。
しかし世の中の仕事はスペシャリストが求められています。
専門的な技能を持った人材が優遇されている世の中です。
そんな中でいると気の多い自分はスペシャリストにもなれず、ダメなのではないか?と思ってしまいます。
「マルチ・ポテンシャライト」、そんな人たちに光をあてる素晴らしい言葉です。
いろいろとやってきた経験を生かしてマルチ・ポテンシャライトはスペシャリストとペアで仕事をする、そんな発想が社会で当たり前になったら、たくさんの人を救うことができる考えだなと思います。
マルチ・ポテンシャライトは自信を持って、社会で活躍できる存在なのです。
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