【TED】「ジュリア・エンダース:驚く程魅惑的な腸のサイエンス」まとめ

おすすめTEDのご紹介です。

ジュリア・エンダース:驚く程 魅惑的な腸のサイエンス

スーパーフードだけではなく、それを吸収する魅力的な腸

最近スーパーフードやスムージーを食べたり飲んだりすることや、グルテンが身体になぜ悪いか、ということを考えることが増えているのに、その食物を消化する身体の器官の具体的な解剖学やメカニズムを知ろうとする考えは増えていないのです。

なぜでしょうか?

そこには科学が長い間、腸を嫌っていた理由があります。

腸は実に複雑で、表面積が大きく、皮膚の約40倍もあります。

その管の中には、腸で訓練されている多くの免疫細胞があり、100兆もの細菌が生息し、様々な事を行なって小分子を作っています。

そして約20の異なるホルモンが産生され、生殖器と比べてもはるかに複雑なものです。 

腸に魅了された医師であるジュリアが、腸を好きになった腸にまつわる話を教えてくれます。

ここでは腸に関する魅力的でためになる話がたくさんあります。

排泄のしくみとすばらしい内括約筋

まず腸の排泄のしくみ誰もが知っているようで知らないことです。

腸には外括約筋(肛門周辺のお尻の筋肉)だけでなく、 内括約筋(肛門周辺に近い体内の筋肉)があります。

外括約筋はコントロールできるのでどんな状態か知ることができますが、内括約筋のことは知りえません。

消化の後の排泄物があると、まず内括約筋に到達します。

内括約筋は反射的に開き、排泄物をほんの少し、試しに通過させます。

そこには感覚細胞があり、運ばれて来た物を分析します。

それが気体なのか固体なのか?

そしてこの情報を脳に伝達し、脳が「トイレに行きたい!」というように、判断を下します。

次に脳は意識を働かせて、その人のいる場所との関係(排泄に適切な場所かそうでないか)を調整して、排泄を調整します。

排泄物が不適切な場所で出てこようものなら、外括約筋と脳は神経細胞で繋がっており、協力して、便を腸内へと戻します。

この内括約筋は、外部世界や時間に気をまわし過ぎる神経に繋がっていないにもかかわらず、一回ごとにその人間のことだけを気にかけるすばらしいものなのです。

ゴロゴロ、グルグルという音はきれい好きな小腸の音

誰もが経験あると思いますが、お腹(腸)が不意にゴロゴロ、グルグルと鳴ること。

これは空腹だからではなく、小腸が 大の綺麗好きだから出る音なのです。

消化していない間、全てを綺麗にしその結果8メートルのうち7メートルの部分の腸は、すっかり綺麗になり、臭いが殆どしなくなります。

これをする為に消化終了後、残留物を全て先に押し出すための強力な筋肉の蠕動運動(ぜんどううんどう)が起こり、そこで時折、音が生じます。

私達が恥ずかしく思っている音はお腹の調子が良く、清潔だという信号なのです。

奇妙な胃とゲップ

また奇妙でひん曲がった胃の形は、その奇妙な形のお陰で私達は笑ったり、スポーツをしたりする時、嘔吐する事なく、腹圧をかける事ができるのです。

それは圧力が横にではなく、上方に移動するからです。

ここでは気泡(ゲップ)も生じます。

このゲップが、大きくなりすぎれば、気分が悪くなったり、痛みの感覚を持ったりする人もいますが、殆どの人は右を下にではなく、左を下に横になるとゲップがしやすくなります。

またジュリアはある日に出会った口臭のひどい人が、翌日自殺をしたことを知り、腸と身体全体のことについて考えるようになり、調査したことを教えてくれます。

腸と身体と脳と精神の話

普通、脳が司令を他の臓器に伝え、臓器はそれに従うものと思いがちですが、実際に脳から腸に情報を伝えているのは脳と腸を繋ぐ神経のわずか10%程なのです。

例えばストレス過多の状況下では、脳から放出された神経伝達物質が、腸で感じられ、腸は全ての働きを低下させようとします。

問題解決のためにエネルギーを節約しようと腸の動きを止め、血流とエネルギー消費を減らすのです。

このため消化を続行したくない食べ物を腸から追い出そうと精神的な嘔吐や下痢が生じます。

残り90%の神経は腸から脳へ

さらに、腸と脳を繋げる神経の残り90%は腸から脳へ情報を届けます。

私達の脳は非常に孤立しており、外部からの情報が必要です。

脳は厚い皮膚と骨に囲まれた頭蓋骨の中に収まっており、「身体全体、私はうまくやっている?」 というような感覚を統合するための情報を必要としています。

そんな中、腸はおそらく脳にとって最も重要なアドバイザーを担うでしょう。

それは腸が感覚に関する 最大の器官で、摂取する栄養の質だけでなく、免疫細胞の状態や腸が感知できる血中のホルモンに関しての情報を集めているのです。

腸はこの情報をひとまとめにして、脳に送る事ができるのですが、その情報は視覚野や言語野には到達できません。

もしそれが視覚野や言語野に到達すると、食物を消化するたびに、変な色を見たり、おかしな声を出したりすることになってしまいます。

しかし腸からの情報は倫理性や感情の処理といった領域や自己認識の領域に到達する事はできるのです。

脳と腸の同情

このように身体と脳が感覚統合のときに、腸は大きく寄与していると考えられるのです。

過敏性腸症候群や炎症性腸疾患といった病気を持つ人達は、不安症やうつになるリスクが高いのです。

皆、「腸の調子が悪い。しかも精神状態も良くない」と考えます。

科学的には現在まだ明確ではないが、こういったときは脳が腸に同情しているだけかもしれないのです。

これが実用的知識になるにはまだまだ証拠が不十分ですが、この考えを踏まえると、気分の変化は体内からもやって来るということです。

それを知っていると、例えば、朝、目覚めが早すぎた時に悩んで色々と思いを巡らし始め、こう考えることができます。

「昨日何を食べた?ストレスが多かった?夜遅くに何か食べた?」

そして起きて、お茶を入れ、消化しやすい軽食を食べる。

これだけで驚く程、気分が良くなることができるのです。

腸に学ぶ本当の「清潔さ」

そして最後にジュリアは腸に関わることとして、本当の清潔さとは何かという、新たな定義を示してくれます。

それは旧知の「衛生仮説」のような、常に清潔を保ち、環境に微生物が少なすぎるという事ではありません。

微生物が少ないとアレルギーや自己免疫疾患が増加します。

本当の清潔さとは 細菌を直ちに死滅させる事ではなく、真の清潔さは少し違います。

この惑星に存在する全ての細菌の95%は私達を傷つけず、害になる遺伝子を持たないのです。多くの細菌が大いに役立つものなのです。

ある種の細菌は腸を綺麗にする手助けをするのか?消化の手助けをするのか?同じように沢山食べても体重が増えたり減ったりする原因になるのか?それが私達に勇気を持たせたり、ストレスに耐性を持たせたりするのか?というような研究が行われています。

 そして清潔さという事になると、要は健康的なバランスです。

悪い物を常に避ける事はできず、あり得ないことです。悪い物は周囲には常にあるものです。

清潔な腸とは、良い細菌が十分あり、 悪い細菌も少しはあるという状態です。

免疫システムには悪い細菌も必要です。それは何を警戒すべきか知るためにです。

人生の衛生

そこにはさらに理論を少し進めて「人生の衛生」とでもいうようなものに発展させられます。

何かを行ったとき、失敗をして、そこが頭から離れない。

しかし全体として良いこともおこなっている。

少し失敗しただけだ。

行った良いことのほうはそれで人の役に立っているではないか、というような考え方。

悪いものから身を守ろうとするのと同様に、良いものを助長することについて知ることは人をとても落ち着かせる効果があるものです。

まとめ

毎日食べて、排泄する。そこに大いに関わる腸。

その仕組みについてとてもわかりやすく知ることができました。

グルグルと音が鳴ると「お腹が空いている」と思っていたけれど、これからは「腸が掃除をしている」と周りの人に伝えることができそうですw

また精神的なことが腸と関わっているという話は眼からうろこですね。

調子の悪さが、ときに腸から来ていると考えると、自分でできるその対処にもっと幅ができました。

腸の話から出た衛生の話は、気持ちが安らぐ考え方でもありました。

身体のことを知るだけでなく、考え方にも変化を与えられる腸の話でした

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