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アレクサンドラ・サックス:母になっていくことへの新しい考え方
思春期の不安定と妊娠女性
思春期(ティーンエイジャー)はホルモンバランスが乱れ、肌の荒れや身体の成長が見られることは普通だとされている。
しかし妊娠女性も同じような状態になることが、なぜ同じようになぜ考えられていないのでしょうか?
産後うつかそうでないのか
精神科医であるアレクサンドラ・サックスは妊娠中や産後の女性を対象として、たくさんの産後の不安定な女性をみてきました。
産後に赤ちゃんを育てたくないと思うことや、母になることで満たされると思っていたが違っていた、という非現実的な期待を持つ女性が多いが、そんな彼女たちは病気ではないが、それをうまく伝える言葉がなかったことから、アレクサンドラは病気以外を扱う医療系の情報以外を学び始めた。
マトレセンス
そこでアレクサンドラは心理について学び、そこで見つけたのが人類学のダナ・ラファエルの論文に見つけた「マトレセンス」。
それは母への移行期というものです。
思春期の「アドレセンス」と似ているのは偶然ではなさそうです。この「マトレセンス」は母親になるということでホルモンや身体の変化があり、産後うつと混同されています。
産後の「押しと引き」
産後に現れる「押しと引き」。これがマトレセンスにおける感情の綱引きとなっている。
まずは「引き」。これは自活のできない赤ちゃん。母親が赤ちゃんを世界の中心の存在にする、1つのことに集中させるためにオキトシンというホルモンが作用します。つまり母親が赤ちゃんに「引き」つけられる状態を指します。
一方の「押し」。母親は赤ちゃんに引き(惹き)つけられるが、母親もアイデンティティとしてその他の人間関係、仕事、趣味などやること、やるべきことは多様にあるが心は「押し」のけられている状態を指す。
これの「押し」と「引き」のせめぎ合いが、母親の葛藤を生み出し、生き辛さを感じさせている。
しかしこれの状態が「マトレセンス」であるとわかれば、幾分、異常ではない、それは母親となる過程なんだ、とわかることで安らぐのではないかと考えられるわけです。
まとめ
時に産後の不安定は産後うつとして片付けられてしまうが、ただそれだけではない。
成長の過程の思春期があるように、母親になる過程の「マトレセンス」がある。ホルモンが変化するその時期に色々な要素が重なり、ダメだダメだ、と思わせるだけではなく、「それが一つの過程なのだ」と考えると乗り切れるものがあるのではないでしょうか。
もちろん「マトレセンス」という言葉があるだけで安心できるものではなく、アレクサンドラも言っているが、パートナーや友人とのコミュニケーションも必要で、共に乗り越えていくことも大切です。
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