【TED】「ビル・ゲイツ:もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない」まとめ

おすすめTEDのご紹介です。

ビル・ゲイツ:もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない

核よりもウイルス

次の数十年で1千万人以上の人が亡くなるであろう災害は、戦争ではなく

感染性の高いウイルスである可能性が非常に高い、

ミサイルではなく微生物であるビル・ゲイツは提唱します。

その理由の1つに、世界では核の抑制に巨額の費用がつぎ込まれてきたが、

実際、疫病の抑制システムの創出はほとんど何もされていないのです。

2014年のエボラ出血熱でも失敗

ビルたちは、2014年のエボラの状況を追跡しました。

そこにはエボラへの対処のシステムが不十分だったのではなく、システム自体が存在しないことが明らかになりました。

実際に明らかに欠けていたもの

まずは急な召集にも応じ出動するべき疫学者、それは疫病の感染拡大、状況を観察し分析する人々の一団がいなかったこと。

そして症例レポートは紙ベースで送られ、報告書が電子化されるまでとても時間がかかり、

しかもその内容は間違いだらけであったこと。

さらに招集に応じ出動すメディカルチームもおらず、人選体制を整える手立てもなかった。

また国境なき医師団は大変うまくボランティア達を指揮したが、

エボラの発生した国々へ何千人もの支援者を送り込むのに無駄な時間を要したこと。

他にもこのような規模の大きな伝染病が起こると、何十万という支援スタッフが必要となるが、

治療の適切さを見る人も、診断方法を見る人も、

そのツールを使うべきか判断する人もいなかったこと。

それはグローバル規模の失敗だったということです。

2014年の感染拡大しなかった幸運

WHOは疫病を監視する研究費はあるが、対策を行うための資金はありません。

対策の準備ができていないだけで、次の疫病がエボラよりもさらに危機をもたらすかも知れません。

それではここで2014年にエボラが蔓延した段階を見てみます。

およそ1万人、ほぼ全員が西アフリカの3カ国の住民が亡くなりました。

エボラがそれ以上に広がらなかったのは運が良かったことがあります。

これ以上に感染拡大しなかった理由は3つ

まずはヘルスワーカー達による英雄的な努力がありました。

次に、ウイルスの性質で、エボラが空気感染をしなかったことです。

患者が感染源となるまで悪化した頃には症状が重過ぎてベッドから動けなくなっていました。

3つ目は感染が都市部にまでほとんど行き着かなかったことによるものです。

これは運が良かっただけです。

空気感染によるウイルスの拡大

ウイルスには感染していても症状が出ず、そのまま飛行機に乗ったり、お店に行ったりするケースもあります。

またウイルスの感染源はエボラのような自然由来の疫病から、バイオテロという可能性もあり得るのです。

なのでシナリオが劇的に悪化する理由はたくさんあります。

1918年のスペイン風邪。

猛烈な勢いで世界中に蔓延し、3千万人以上の感染者が死亡しました。

これは危機的な問題で、深刻に捉えなければいけません。

対策システムの必要性

しかし現在の私たちには活用出来る科学や技術で対策システムを作ることはできます。

携帯電話で公開された情報を得て、また反対に情報を発信し、

衛星画像で人々の居場所や移動する様子を知ることもできます。

生物学の発展で、病原体に応じた薬やワクチンを作る時間が劇的に短縮できます。

これらのツールを使い、危機に備えた体制を作らなければなりません。

戦争の備えから学ぶこと

また戦争に備えて、兵士たちは常時招集に備えており、

ウイルス対策部隊の規模のスケールアップの為の人員や資源は潤沢にあります。

NATOには非常に迅速に現地へ赴ける機動部隊がいて、

頻繁に訓練を行って、人員が十分に訓練されているか?

燃料や物流の状況の理解に無線周波数の設定は同じか?

そんな確認を常に行い、部隊は常に出動可能な状態なのです。

これはウイルスへの対策にも不可欠なのです。

ウイルスへの対策のために重要な3つのこと

1.途上国のしっかりとした病院・健康保証システムの必要性

母親の安全な出産と、子どもたちへ必要なワクチンを全て受けられる仕組みです。

2.医療従事者達の待機部隊

医療に携わり、経験があっていつでも招集に応じられる専門知識のある人々で、

軍隊と連携し、軍隊の機動力を利用して物流の確保しと感染地の隔離等を素早く行えることです。

3.ワクチンや診断の分野での研究開発

世界銀行は世界規模でインフルエンザ大流行が起こると、

世界の総資産が360兆円以上の打撃を受けると推定しており、

さらに何百万人という死者も見込まれます。

例えばアデノウイルス系ワクチンのように非常に速く効く目覚ましい躍進もあります。

研究開発に必要な正確な予算は不明だが、予期される被害に比べれば大したことのない額だろうと思います。

このような投資はただ疫病への準備以上の大きな利益を生みだします。

エボラの蔓延に何か良い教訓があるとすれば、私たちが準備を始める為の警鐘となったということです。

今すぐにでも対策が必要です。

まとめ

エボラ出血熱は遠い国の出来事のように思いましたが、

日本でも毎年、インフルエンザが猛威を奮い、死者さえでています。

感染性のウイルスは目の前にいます。

医療の発展で新薬が開発され、安心していますが、

インフルエンザだけがはやるとは限らず、

医療者さえ予測がつかないウイルスも出てくるかもしれません。

医療従事者でもなければできる対策は少ないかもしれませんが、

確かな情報を得て、確かな情報を共有することだけでも対策になりそうです。

そのためには普段から確かな情報を得る術を身につけておきたいところです。

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