【TED】「アダム・グラント:独創的な人の驚くべき習慣」まとめ

おすすめTEDのご紹介です。

アダム・グラント: 独創的な人の驚くべき習慣

ワービーパーカーへの投資を断る

組織心理学者であるアダムはかつての教え子がワービーパーカーの創業者でした。

ワービーパーカーhttps://ca.warbyparker.com/は家で試着できる眼鏡の販売をする革新的企業です。

しかしアダムは創業前の投資を断りました。

ワービーパーカーの創業者は会社を始める前日までウェブサイトさえ作っておらず、

当時のそんな教え子たちに彼は投資はできないと考えたからです。

しかしワービーパーカーは現在10億ドルを優に超える企業になりました。

アダムはなぜ投資を見誤ったのか、彼はオリジナルな人、新しいアイデアを持ち、

世界を変化させる独創的な人について学んだ3つのことを教えてくれます。

ワービーパーカーについての最新の記事⇒https://forbesjapan.com/articles/detail/25362

物事を前倒しにするよりも、先延ばしにするほうが独創的?

アダムがワービーパーカーへの投資を断った理由の1つは起業までに時間がかかりすぎていたことです。

アダム自身は前倒しにことを進める人で、

大学の卒業論文も締め切りの4ヶ月前に終わらせた人です。

そんな彼の生徒の調査で、多くの会社にて人が先延ばしをする頻度と

その回答者の独創性と創造性をその上司に評価してもらいました。

そこで分かったことは、即座に物事に取り掛かり、

課題をすぐ終わらせる前倒し魔は適度に先延ばしする人々よりも、

創造性に劣ると評価されました。

前倒しにする人は不安に駆られているので、独創的な考えを持てません。

一方、最後の最後まで先延ばしにする人たちというのは、

ひたすらサボっているので新しいアイデアなど持てないようです。

では独創的な人はどちらなのか?

それはどちらでもありません。

実験による先延ばしの効果

ある実験で参加者に新事業のアイデアを出すという課題を与え、

それを第三者に読んでもらいアイデアの独創性と有用性の評価をしてもらいました。

参加者の一部の人には課題にすぐ取り掛かるよう求め、また他の一部の人には、

先延ばしをするようにゲームに5分~10分間誘いこみました。

結果、課題を先延ばしした人は他の2つのグループよりも

16%も創造性に優れていると評価されたのです。

ここではゲームの面白さは関係なく、

ゲームをした後で課題を伝えた場合には創造性の上昇が見られなかったのです。

先延ばしとは思考である

先延ばしの間、課題は頭の片隅で動き、様々なアイデアを巡らせる時間ができ、

直線的でない考えや予期せぬ飛躍が可能になるのです。

アメリカの脚本家で映画監督のアーロン・ソーキンいわく、

 「君が先延ばしと呼ぶものを、私は思考と呼ぶ」

歴史上の独創的な偉人の多くは先延ばし魔でもあったのです。

16年かけて描かれたモナ・リザ

レオナルド・ダ・ヴィンチ自分を負け組と感じ、

日記にも何度もそう書かれていました。

しかし光学の世界に寄り道して学んだことが、

ダ・ヴィンチの光の描き方を一変させ、彼を画家として素晴らしいものにしました。

そして創作に打ち込んだり、休んだりして、

16年をかけてあの『モナ・リザ』を描きました。

マーティン・ルーサー・キング・ ジュニアの台本になかったあの言葉

マーティン・ルーサー・キング・ ジュニアの人生で、最も重要な演説をおこなった

あのワシントンでの前夜、午前3時すぎまで彼は台本に手を加えていました。

舞台に上がるのを待つ間も、まだメモを書き、セリフを削っていました。

そして壇上で11分が過ぎたころ、彼は用意していた言葉を使わずに、

歴史を変えたあの4語を発したのです。

 「I have a dream」

台本になかったその言葉、演説を、完成させる最後の瞬間まで引き延ばす事で、

彼は自らの目の前に使えるアイデアをめいっぱい広げておいたのです。

すばやく着手し、仕上げには時間をかける

先延ばしは生産性の面では悪いものですが、

創造性においては美徳となり得るのです。

独創的な人の多くは、素早く着手し、仕上げには時間をかけるという特徴があったのです。

ワービーパーカーの件も同様だったのです。

先行者利益という罠

「多くの会社がすでにオンラインで眼鏡の販売を始めているぞ」

半年間ぐずぐずしている彼らにアダムは言いました。

彼らは先行者利益を逃しましたが、彼らはオンラインで安心して眼鏡の注文ができる方法を探っていたのです。

先行者利益が良いことはほぼ都市伝説となっています。

50を超える製品を調査した有名な研究によると、

市場を開拓した先行企業と、その後改良し別の製品を売り出した後発企業とを比較すると、

先行企業の失敗率が47%であるのに対して、後発企業はたった8%で済んでいるのです。

FacebookもGoogleも一番ではなかった

Facebookがソーシャル・ネットワークを作ったのは、MyspaceやFriendsterが出るのを待ってからでした。

Googleは、AltaVistaやYahooの何年も後のことです。

誰かのアイデアを改良する方が、ゼロから生み出すよりもずっと簡単です。

一番である必要はありません。

他より優れたものがあればよいのです。

独創的な人も不安や恐怖を感じている。違うのはその対応

ワービーパーカーの起業前、彼らは不安でいっぱいでした。

アダムはこれも断った理由としています。

表面だけ見れば、多くの独創的な人は自信に満ちています。

しかし、その一方では、彼らも我々と同じ不安や疑問や恐怖を感じているのです。

違いはそれへの対応です。

2種類の懐疑

創造的な過程で多くの人は以下のような考えをたどります。

  1. これは最高だ!
  2. いや、難しいな。。
  3. これはダメだ。
  4. 自分はダメだ。。
  5. まあ大丈夫か。
  6. やっぱりこれは最高だ!

そしてアダムはここに2種類の懐疑があることを発見しました。

それは自己懐疑アイデアへの懐疑です。

自己懐疑は思考を停止させ、動きが止まります。

上の4番がまさにそうです。

一方のアイデアへの懐疑は力を与え、挑戦や実験、

そして洗練へと自らを駆り立てるものです。

つまりは上の3番から4番への飛躍を止めることなのです。

「自分はダメな人間だ」と言う代わりに、

 「最初の方はいつもダメだけど、まだ到達していないだけなんだ」と。

ではどうすれば良いのか?

使用しているウェブブラウザでみるあなた自身

普段利用しているウェブブラウザを調べれば、

あなたの仕事の成果や貢献度が予測できます。

FirefoxとChromeの利用者はInternetExplorerとSafariの利用者よりも

はるかに優秀であると証明されました。

加えて、仕事に取り組む時間も、後者の方が15%長いのです。

理由は技術的なメリットではなく、そのブラウザ利用の経緯なのです。

後者のInternet ExplorerとSafariは元々コンピュータにインストールされているもの、

つまり与えられた初期設定を受け入れたということ。

前者のFirefoxとChromeは初期設定を疑い、他の選択肢がないか調べ、

知恵をもって ダウンロードしなければならないもの。

つまりは率先して既存のものを疑い、より良い選択肢を探せる人になれるかということです。

ブジャデによる映画の大ヒット

既存のものを疑い、良いものを探すことでデジャブの対極へ近づけます。

それがブジャデ

ブジャデは、それまでに何度も見ていたものが、ある時突然新たな視点で見えてくることです。

ある映画の脚本家が、その映画の脚本は半世紀以上も、不採用になっていました。

というのもどのバーションの脚本でも、主人公を悪い王女にしていました。

ジェニファー・リーがそれで筋が通るか疑問を呈し、

第1幕を書き直して、悪役を悩める勇者に作り変えた結果

 『アナと雪の王女』はご存知のように成功したアニメ映画になったのです。

やる後悔とやらない後悔

そして恐怖について。

独創的な人も失敗を恐れています。

しかしそれは破産する失敗もありますが、

起業すらできないという失敗です。

深く後悔するのは、した事に対してではなく、しなかった事なのです。

科学で証明されている通り、やり直したい過去とは、逃したチャンスのことなのです。

テスラのイーロン・マスクもテスラが成功するとは思わず、

スペースX社による打ち上げの最初のほうは、帰還どころか軌道に乗せるのさえ失敗すると確信していたが、

その重要性からも挑戦せずにはいられなかったということです。

まずいアイデアで評価はされない

普通の人のほとんどは良いアイデアを持っていても、実行しようとしません。

まずいアイデアで評価されることはないにもかかわらず。

調査では、人々に壮大なアイデアや重要な提案について尋ねると、

85%の人は語らずに沈黙することを選びました。

恥を恐れ、体裁を気にしているからです。

独創的な人の駄作の数は山ほど

 独創的な人の頭の中にはまずいアイデアだらけで、駄作が山ほどあるのです。

どの分野においても、独創的で偉大な人たちはたくさんの失敗をしている人たちなのです。

それは彼らは誰よりも多くの挑戦をするからです。

超一流のクラシック音楽の作曲家たち。

バッハ、ベートーベン、モーツァルトという誰もが知るクラシック音楽を代表する3人でさえ、

ものすごい数の楽曲を作り、ようやく数少ない傑作にたどり着いたのです。

大量に作れば作るほど、その種類は豊富になり、

本当に独創的なものを生み出す可能性が高まります。

普通の人と大きな違いは無い独創的な人たち

独創的な人たちも、先延ばしにし、

恐怖を感じ、まずいアイデアを持っています。

普通の人となんら違わないのです。

素早く着手し、仕上げに時間をかけること。

自らのアイデアを疑い、挑戦を逃す恐怖を受け止めて自らを奮い立たせること。

そして少数の良いアイデアのために、多数のまずいアイデアが必要だということ。

独創的であることは簡単ではありません。

しかし世界を良くするのはこれしかないのです。

まとめ

良いアイデア、人と違ったアイデア。

アイデアは深く考えることが必要で、その考えを洗練していくこと。

そして自分をダメだと思わずに、アイデアを何度も練り直し、

挑戦することを止めないこと。

もちろん普通にはできないことです。

しかしあきらめないということが成功者の共通点で、

くだらないと思うアイデアでも考えぬいてみる必要がありそうです。

成功だけが表にでてきていますが、その裏にある失敗の数は成功者ほど多い。

やるか、やらないか。

そしてあきらめないことが何よりなんだと分かりました。

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