おすすめTEDのご紹介です。
レイモンド・タン: 「謙虚であれ」およびその他の教訓 ― 「水の哲学」からの教え
忙しすぎる毎日に出会ったもの
毎朝スマホで目覚め、スケジュールは会議やら何やらでぎっしり。
2重3重の予定もあり、日々追いかけるように過ごしていく。
1日何をしているのかわからないまま、翌日同じような朝がやってくる。
いろいろなことをしているが、何も達成していない気もする。
レイモンドはそんな忙しい日常を暮していた中で出会った1冊の本。
老子の「道徳経」。その第8章水の話。
彼はそれを読んだときにこれまでの考え方がいっぺんに変わったとして紹介してくれます。
道徳経第8章
漢文は以下のようになっています。
第8章
上善若水。水善利万物、而不争。
処衆人之所悪。故幾於道。
居善地、心善淵、与善仁、言善信、正善治、事善能、動善時。
夫唯不争、故無尤。
第8章
最も善いことは水のようなものである(上善水の如し)。水は万物の助けとなり、争うことが無い。
多くのものが避ける低い位置に留まり、これは道の働きに近い。
住むには地面の上、心は深く、利を与え、表現は誠実でいて、政事は治まるほうがよく、事は有能なのがよく、動くは時期を伺う。
このように争わないからこそ、間違いも起こらない。
謙虚であること
この水の哲学からレイモンドは3つのことを学びました。
まずは「謙虚」
川の水は常に低いところを流れ、植物や動物を生かしています。
自ら注意を引くようなことも無ければ、報酬も承認も求めません。
この水の謙虚さが無ければ生命は存在できません。
自分に任せてくれ、何でも聞いてくれという態度ではなく、
「私はわかりません。私に教えてください。あなたの助けが必要です」という態度。
全ての川はやがて大海へと流れる。
自分の成功ではなく、他人が成功することを喜び、他人の手助けをするほうがより達成感があり意味があることだ。
他人のアイデアや手助けのおかげで、偶然起こる面白い事や新しいアイデア、初めて知る問題解決法を毎日発見し、彼は人生が楽しくなったといいます。
調和を保つこと
岩に向って流れる水はただ岩の周りを流れるだけです。
迷いも怒りもせず、感情をかき乱したりしません。
行く手を阻まれても、暴力で対立することも無く、解決策を見出します。
ストレスの原因は、周りとの調和を忘れていたことです。
自分の成功のために、物事を変化させようとばかりして、結局それはできませんでした。
成功を求めることをやめて、調和を求めました。
そうすると良くなってきました。
自分の望むものになろうとするより、ありのままの自分のほうがよいことがわかりました。
自分自身との争いを止め、周りと調和すること。
自然は急がないけれど、すべてがいずれは成就します。
水のように争いで解決をしようとせず、より多くの成功よりも、一層の調和を目指す事でより大きな達成感を得る事ができるでしょう。
寛容であること
水は自在に変化し、温度によって液体、気体、固体になります。
入れ物によってもその姿を変えることができます。
変化に適応し、柔軟であり続けるおかげで、水はあらゆる環境の変化をものともせずに長く存在し続けているのです。
私たちの世界も常に変化し、決まった仕事をしているだけではいけなくなっています。
時代に合わせて、常にスキルを更新し、活性化しなければいけません。
進歩をし開放的になることにより、こだわりを捨てて、成り行きを素直に楽しむことができます。
「水ならどう考えるか?」という考え方。
Humility(謙虚)、Harmony(調和)、Openness(寛容)です。
まさにH2Oの哲学は古典的であり、普遍的な考え方ですね。
まとめ
水の哲学。
考えたこともなかったです。
水のように謙虚で、水のように調和を大切にし、水のように寛容である。
水は毎日関わるどころか、なければ生きていけないものです。
水は生かしてくれるばかりか、生き方さえ示してくれるもの。
立ち止まったときに、水ならどう考え、どう動くか、という考え方は案外役に立ちそうです。
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