【自傷とアート】インスタから考える、傷は自己表現かもしれないが、アートって何?

インスタで不適切な画像だと思った時に報告できるボタンをご存知ですか?

インスタの自傷行為の投稿

先日、インスタの投稿を見ていると明らかに手首を切って血が流れている画像を見つけました。目を背けたくなるようなリストカットで手首を深く切って血が流れるどころか、筋肉が見えているほどに大きな傷口の画像が目に入り、非常に不快に思いました。そのアカウントでは全てそんな画像。これってメイクか何かでリストカットのように見せかけているのかなとよく見てみましたが、見れば見るほど目を背けたくなるようなもので、うまく作っているというより、やはり本物のようです。

インスタのコミュニティガイドラインにもありますが、自傷行為は報告対象であることが書かれています。

そして、このアカウントは不適切だと思い、報告をしました。

インスタの報告機能

1.「・・・」→「報告する」

 

2.「不適切である」

3.

同じように投稿動画ごとに報告もできます。そして報告をして、10分ほどすると「ご報告ありがとうどざいます」というご連絡をもらいましたが、、、

規定には違反していないということでした。確認してみると、アカウントも投稿画像も削除はされずそのままでした。まあよくよくコミュニティガイドラインを見てみても、

 

「他人に自傷行為を推奨したり促したりする行為」は削除やアカウントの停止をするということで、私が見たアカウントは画像こそあれ、言葉で誰かに勧めるようなことはしていませんでしたので、削除の対象とならなかったのかなと思います。しかし、この画像を見るだけでも十分に影響力を持つものでは?という思いもあり、もやもやしたままです。

インスタは自己表現の場ではありますが、それでは「傷」も自己表現の一つか?ということになりますが、インスタが許す限りはそういうことになります。

アートとしての傷

自傷行為を行った人を被写体として撮った写真集として有名な岡田敦「I am」があります。

無数のリストカットを持つ女性がたくさん載っています。血が流れているところはありませんが、そこにたくさんの血が流れたことは傷を見るだけでもよくわかります。

この作品は自己表現の一種です。このように写真集となって世の中に出ているという事実はあります。

また自傷ではないが、傷跡を持つ被写体を撮った写真集として石内都の作品がある。

石内都は木村伊兵衛賞を受賞しており、まぎれもなく写真家であり、アーティストと言ってもおかしくはないでしょう。

傷というと隠されていたり、隠すべきだと思われたり、そういうものをあえて被写体にしているところに傷というものの固定観念としての醜さが排除されて、美しくさえ見えてくる作品です。

これがアーティストの力なのだと思うのです。

アートって何?

話がそれてきましたが、インスタの投稿の血まみれの「傷」とアーティストが撮る「傷」は何が違うのか?もちろんその傷の背景にある物語がそれを見る者の視点を変えるという力があるとは思いますが、それでは物語があればそれはアートとなるのか?と突き詰めると堂々巡りをしそうですが、「100の思考実験」の中の「40 自然という芸術家」というところでも問われています。

この話を要約するとある学芸員が、ヘンリー・ムーアの石の作品が死後に発見され、その形に魅了され展示物として公開していたが、実はその石の作品と思われていたものは作品ではなく、ただの石で、ヘンリー・ムーアが所蔵していたことは間違いないが作品ではなく自然にできた美しい形のもので、ただの石とわかり展示を止めた、という話。

もちろんこれは思考実験の話なので、何が芸術だとは書かれていないが、芸術に関しては、まだまだ考え続けねば多いということだ。何がアートか?と言いだすと答えは出ないだろうが、美しいと感じるものは人それぞれで、それは直感的なもので他者に否定されるものではない、ということには異論はないと思います。

インスタのヘルプセンター

さて話を元に戻して、もしもインスタで自傷行為が発見され、そこに助けを求めているものと思ったら、「ヘルプセンター」というものがあります。

「オプション」内にもあります。

「Privacy & Safety」

「報告する」

ここでは自傷行為のみならず、他の不適切に感じるものに関しての情報や、問い合わせも可能です。インスタを楽しむためにも、困っている人やまたは困らされていると思える人がいたら、同じインスタ利用者として助け合えていけると、インスタがより良いものになるかなと思います。

 

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