やりたいことを決めたのにネットで調べると、きっとダメになる。
目次
29歳契約社員
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やりたいことやっていますか?
やりたいことなんですか?
すぐに答えられる人なんてなかなかいません。
これを見ている人はたぶん。
まあそれでいいのかもしれないけれど、
やりたいこと見つけられたらラッキーですよね。
もうすぐ30歳になろうとしていた後輩。
彼は就職に恵まれず、ずっと契約社員でいました。
労基法の改正で契約社員は無期雇用へ
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契約社員で5年、労基法の改正で契約社員でなく無期雇用になることになり、
彼とその話をしました。
「よかったね。待遇もよくなるの?」
すると彼はこう言いました。
「待遇は変わらず。無期雇用になるけどね」
「まあよかったやん。石の上にも3年やな」
「でももう辞めようと思ってる」
やりたい仕事が見つかった
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彼は仕事が続かない人ではない。
新卒での就職を失敗してすぐに契約社員で入社した地元の会社。
世界的な独占ものもあり、全国から人が集まる。
契約社員でも3次試験まである狭き門で、昇給こそ無かったが、
契約社員でも居心地の良い会社だった。
無期雇用になると契約をきられる心配は無くなる。
給料は変わらず、昇給も無いそうだが。
「診療放射線技師になりたいなと」
「ええやん」
診療放射線技師という夢
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29歳になった彼は自分の生き方を考えたという。
なんとなく入った会社で契約社員。
会社はいいところだけど、いつまでもこのままではいけない。
いろいろと調べてみて、医療に携わる仕事をしたいと考え、
その中で東日本大震災でも問題になった放射能。
放射能を調べてみるとそれは悪いだけではなく、
放射線という医療での治療にも利用されている。
そんな放射線を扱う診療放射線技師という職業を知り、
資格を取りたいと思ったという。
彼はその時、CTとかMRIの違いを熱く語っていたけど、よくわからなかったので、
よく勉強してわかりやすく説明できるようになって欲しいと
素直に思った。
退職して3年間学校へ
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ただ資格を取るためには然るべき大学、短大、専門学校にて3年間勉強して、
ようやく受験資格ができるという。
話していたのは9月ごろ。
翌年に入学するために受験もあるので、
年内には仕事を辞めないといけない。
「早めに辞めて、受験勉強もしないといけないから」
彼は輝いていた。
やりたい仕事を見つけて、
次のステップを踏もうとしている。
まじめで面白くない彼だけど、
思い切ったことをするなあと思った。
素直にそう思った。
しがないサラリーマンを続けている自分とは
違う世界へ行こうとしていた。
「でもお金もかかるからぎりぎりまで働いて
貯金しようかなとも思ってて」
『お金の問題はなんとかするから』
とか胸張って言ってあげられたら
先輩面できるんだろうけれど、そんなこと言えやしない、言えやしない。
そう言ったら少しは敬語を使ってくれるのだろうか。
自分自身、敬語は好きではないけど、
彼は出会った時からこんなしゃべり方だった。
「まあ現実的な問題やね。勉強との両立は大変やけど仕方ないね」
そう言ってあげるしかなく、その場のご飯はおごってあげた。
もうすぐ辞める
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そして年末に会ったとき、彼はまだ働いていた。
「退職届出したん?」
私はなんとなく聞いてみた。
「まだ。来年入ってから」
「そう。お金溜まった?」
「お金は大丈夫!でも今は会社がばたばたしているから」
「そう」
そして翌年の2月に偶然会ったとき、
「受験終わったん?」
「3月や」
「てかどこ受験するん?」
「県外の○○医療大学」
「そう。仕事はまだ?」
「3月いっぱい行くことになった」
辞めるのやめる
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そしてしばらく連絡を取っていなかったが、5月のある日、
地元のスーパーで彼を見かけた。
「あれなんでおるん?」
「いや実は辞めた、放射線技師」
「そうなん?」
「いろいろネットで調べて。
そしたら30歳超えて、放射線技師にはなれないとかで」
「年齢制限あるん?」
「いや年齢制限は無いけど、なかなか難しいみたい」
「わからんやん」
「ネットにはネガティブなことしか書いてないから」
「ネットなんて誰が書いてるかわからんやん」
「でも本当っぽいんよ」
実際彼は仕事を辞めて、資格を取りにいく30歳の自分が不安になった。
彼は検索サイトで「診療放射線技師 30歳」と調べた。
(実際、いろいろ出てきます。)
そこにはなかなか「30歳からの診療放射線技師で安心な人生!」みたいなのは
ありませんけど、
まあ大丈夫じゃない?
大きな病院は無理だけど、小さい医院だったら就職できるんじゃない?
的なブログなり、Q&Aサイトなりはあります。
不安に襲われてネット検索
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しかし彼がとった行動は、
卒業すると32歳→就職できる?→無理っぽくね?、
という流れからの検索でした。
彼が検索したのは「無理」が前提、
その「無理」を後押しする回答、
つまりやらない言い訳を探していただけです。
新しいことをやる不安。
誰だってあります。
でも彼は新しいことに一歩踏み出そうとした矢先、
その一歩を迷いの一歩にしてしまい、
世の中がどうなのか、それをネットを頼りに調べてしまったのです。
現実をみること
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さて例えば彼のなりたかった診療放射線技師。
現在求人はあるのか調べるには、
現実の病院や医院に聞いてみたほうがいいです。
電話したっていいと思います。
「診療放射線技師の求人されていますか?」と。
ネットでもいいけれど、この場合は電話のほうが手っ取り早いし、状況がわかる。
「今はしていません」と言われたら、
「出す予定はありますか?」とか聞いて、状況を聞けます。
「しばらく出す予定はないです」と言われたら、
それで終わりというだけで。
その病院で勤めたいために資格を取るのではないと思うので、
そこは諦めればいいし、そこの病院にどうしても勤めたいのなら、
他の資格をとればいい。
どうしても取りたい資格なら取りあえずとる。
そこから就職先は広がるし、取得しないと話にならない。
どうしても入りたい会社なら会社に聞いてみる。
スキルがいるなら勉強するのみ。
独立の場合は、スキルを磨くことと生身の人に会う必要も。
そして未来をみること
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今がダメでも、3年後求人が出ている可能性はあります。
どこもどんな職種も人手不足です。
そのころにはAIが仕事を奪っているのでは、なんて素晴らしい想像力も働きますが、
まだまだ全てがAIに仕事を奪われるほど進んでいないでしょう。
期待ほどには。
それにしても資格があれば、AIを操作する側にさえなれるかもしれません。
やりたいことが決まれば、情報を入れなくてもいい
やりたいことなんてなかなか見つからない。
そんな中、やりたいことがこれと決まれば、
それが正しいかなんていう外部情報は入れなくていいと思います。
周りの人間が全員止めるようなこと、
ただ面白いだけとか、明らかに犯罪になっていること
例えば30歳で幼稚園に入り直すとか、
裸で世界一周とか、は無理だしダメですが、
そんなことじゃなくて、
年齢とか世間体とかで左右されることならば、無視していい。
挑戦を阻むものは無視です。
ネットで検索するならば
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それでも不安でネットで検索するならば、
自分と同じことをして成功した人だけを調べましょう。
それが数少ない人でもいるならば、
やる理由になります。
そしてもしいないならば、1番になってブログなんかでupすればいいんです。
少しでもネガティブ要素があるならば、見ないこと。
それでも見たいなら、あなたのやる気は結局やらない理由を探している程度のものなのです。
まとめ
ネットは便利。
でもほぼ匿名の世界なので、ありえないことやネガティブな話は多い。
そりゃ人のほとんどはネガティブですから。
ニュースを見てたらわかるけれど、
人の食いつくのは悪いニュースですから。
実名の失敗談もあるかもしれませんが、
それはただの反面教師として考えればいい。
失敗から学ぶことも多いというのもありますが、
やる後悔よりやらない後悔を選ぶ場所にもなるところです。
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