【子宮に沈める】子を持つ親には、目を伏せずに一度見て欲しい映画

【子宮に沈める】

これは子を持つ親には一度は見て欲しい映画です。実際にあったネグレクトの事件を題材にしている。きっと二度は見れないけれど。

画像付きあらすじ

この映画に特に物語はない。普通の親子の日常を定点カメラで映し出しているだけ。はじめの方は親子の微笑ましい姿が映されている。そうはじめの方は。

「子宮に沈める」より

登場人物は夫と妻由希子と4歳くらいの女の子幸(さち)と1歳くらいの男の子蒼空(そら)の二人の子ども。由希子は二人の育児に専念して大変ながらも子どものために凝ったお弁当や料理を作っていた良い母親であった。

「子宮に沈める」より

ところが、夫は仕事か不倫か家に帰ってこない。一度だけ現れるが、夜中にスーツを着たまま、口論をして、家を出て行ったきり帰ってこない。

「子宮に沈める」より

そこから由希子の中で何かが変わったのであろう。離婚をしたのか、家を出て行ったのか、由希子は子ども二人を連れてアパートで暮らすようになる。

「子宮に沈める」より

そんな中、久しぶりに会った高校の友人。子どもが寝静まった夜に家に来た。派手な化粧に、明るいマニキュア、子どもがいるところでも平気でタバコを吸っている。その友人は夜の仕事をしていて、由希子にも夜の仕事はどう?と何気に声をかける。

「子宮に沈める」より

そこから由希子は次第に一変して夜の仕事をしたり、子どもたちの知らない男を家に連れてきたり、と人が変わったように生活が変わってくる。

「子宮に沈める」より

夜の仕事が続き、家の中が荒れてきて、ゴミがそこら中に散らかっている。

「子宮に沈める」より

そしてある日を境に家に帰らなくなる。

「子宮に沈める」より

残された子どもたち。由希子は帰らないと決めたのか、子どもたちが部屋から出られないようにドアを閉じ込めてしまった。

「子宮に沈める」より

「子宮に沈める」より

小さな子ども二人だけで、しばらくはそれなりに暮らしていた。幸は作り置きされた大量のチャーハンを食べ続け、弟のミルクがなくなれば水で粉ミルクを溶かして作る。

「子宮に沈める」より

どこからか見つけたフルーツの缶詰。小さな女の子に開けられるはずもない。なんとか開けようと包丁を使う姿はヒヤヒヤさせる。

「子宮に沈める」より

蒼空はミルクだけではもちろん栄養が足りない。次第に弱ってくる。

「子宮に沈める」より

初めに蒼空が動かなくなるが、幸には何が起きたのか分かっていない。蒼空の誕生日を迎えたのか、夜、幸は動かなくなった蒼空に粘土で作ったケーキでハッピーバースデイを歌う。

「子宮に沈める」より

蒼空にはハエがたかり、幸はゴミ袋を漁り、食べ物を探す。

「子宮に沈める」より

水道の水をマヨネーズの空いたケースに入れて飲んだり、蒼空のために作った粘土のケーキを食べたり。

「子宮に沈める」より

そこに不意に由希子が帰ってくる。

もうそこからは見ていられないシーンが続くが、続きは実際にDVDで見てもらいたい。

子どもたち二人だけになったところから見ていられないシーンも続くが、この後は本当にひどいシーンが続く。

映画の感想

この映画は、独特のカメラワークで、子ども目線のカメラを意識したものか、ほとんどが低い位置から撮られている。人の顔を半分だけ写したり、ピントを外したまま撮り続けたりというのが所々にある。そして、会話も少なく、時々現れる喜怒哀楽が声やカメラからはみ出た表情に映るだけ。そして部屋の様子や服装から事態の変化が分かる。

カメラはこの家族の家から出ない。このカメラの存在は密室で起きた痛ましい事件を象徴し、ピントが外れた映像はこんな見えているようで見えていない、家庭内で起きていることを表しているのかもしれない。

ひとり親で育児をする苦労や苦悩が伝わる。良妻賢母なんて言葉はもうすでに古いが、ただ「自分の子どもなのにひどい」なんて意見は勝手なのかもしれない。この後「子宮に沈める」というタイトルのような行為を行うシーンが終盤にあるが、育児に悩む親、それは母親に多いのかもしれないが、「産まなければよかった」なんてことを一瞬でも考えたことを行為として表しているのがそれかもしれない。親と育児のあり方、ひとり親または母親だけの育児について改めて考えさせられる。

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2018-08-03

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